最終更新日2020.9.15

Amazonプライムビデオで視聴できる「ザ・ボーイズ」の感想を書き記します。
この作品は人体損壊の描写が多くて18禁指定になっています。
描写がなにせ残忍なのであまり人におすすめ出来るものでは無い作品だと最初に記しておきます。



下記のTrailer動画はソフトな描写を探して挿入していました。



Amazonプライムで勝手に入る広告と、
そのYoutube版は日本語でナレーションが入っていて
説明も絶妙なのでそれを探しましたが見つかりませんでした。




あらすじは、サイコパスなスーパーマンとクズカスなヒーローを集めた製薬会社と
非政府組織で資金も法的な保護も受けず特殊能力を有しないタダの常人の
犯罪者集団との戦いを描くといった具合の話です。

マーベルコミックなどのアメコミ・スーパーヒーロー達の共演のブラックパロディとも言えます。
ザ・ボーイズ (テレビドラマ)Wikipediaにより詳しく書いてあります。

「ザ・ボーイズ」とはアンチ・ヒーローの超能力の無い一般人のチームの非公式なグループの名ですが、
ザ・ボーイズが差し示す人物たちは製薬会社のヒーロー部門に所属するヒーロー達です。
そのヒーロー達は、自己中で、自己顕示欲が強く、承認欲求が強く、他者に対して残忍で容赦が無い。
要するに、アダルト・チャイルドです。

アダルトチャイルドで少年としか言いようのないヒーロー達に立ち向かうのが
ザ・ボーイズの面々で、彼らは場合によっては殺人も犯してるので反社会組織ともいえる。

ヒーロー達はヴォート社に属しており、そのトップが「セブン」といわれる組織に所属している。
このセブンのヒーロー達は映画の主人公にもなるし、企業と行政の広告で彼らの顔にもなる。
どんな失敗や犯罪を犯したとしても彼らの所業は隠蔽されるし、法的にも保護される。
だからどんどん増長していき非人道的な事も平然と行う。
そして社会的立場を利用して都合の悪い個人を陥れていく。

表面的には万人受けの良い笑顔を絶やさず、オーバーな顔の表情と身振り手振り、
薄っぺらい正義感を振りまき、耳障りの良い事しか言わない。
しかし実際、人の目の無いない裏の顔は激高しやすく、
圧力をかけ暴力や性的嫌がらせを積極的に行う。
嫌疑がかかれば、平然と幼稚で恥知らずな嘘をつく。

一般に作家は、犯罪を犯す理由、悪の正体というのを描きたがる。
健常者としては、そこに人間性を深く掘り下げて知るカギがあると思う。
そして見当違いな理由をつけて勝手に納得したり、主張をぶつけ合う。

この時代になってきて、その傾向は日本でも欧米でも変わってしまったという気がする。
この作品で言えば、理由を深く描いても結局最初からヒーロー達の「幼児性」という
行動の衝動の原因は変わって行かない。
子供の時のトラウマから犯罪に走るんだととか、従来は描いてきた。

では少年期の経験が彼らに何かをやらせているのか、少年期から問題があったのか?
よくよく考えてみれば、少年期に嫌な思いをしても犯罪者になるとは限らない。
例えば多動性衝動は今は対処方法や投薬などが試されている。
しかし広く社会を捉えてみれば、今の30歳代以上だとそういう知識はあまり浸透していない。
崩壊学級の中心であるとか陰湿ないじめを行っていた人間が成長してどうなるか?
それは必ずしも答えは一つではないけれど、こんなブログを読んでる人なら
大抵思うところは同じだろう。

問題を持ってて子供の頃からそうだったし、現在もその状況が変わらない。
ザ・ボーイズでヒーロー達を掘り下げてもそういう印象を持ってしまう。
彼らはどこまで行っても自分に甘いし自分を特別なものとして他人を蔑んでいる。
ものごころがついていない、そこがトラブルの原因の全てだ。

私は正統派のヒーロー作品のアイアンマンのトニー・スタークを見ていて、
その幼児性が強い事に嫌悪感を感じてアヴェンジャーズなどを基本的に観る気が起きない。
それはアニメだったら例えばソード・アート・オンラインや進撃の巨人でも同じでした。

どちらかと言えば好きなアニメ作品で、ネタバレになるので詳しく書けないのだけど
2013年のとある作品でも最終的にはやっぱり悪の権化というのは小学生くらいの美少女という記号で表れてしまう。
可愛そうな自分は世界人類を滅ぼすというような事をラスボスは言う。

理由はよく分からなけど、悪人を描くときに子供のようなセリフを吐かせるというのは
非常に、非常に多く見る。
ネットフリックスのオリジナルの「リヴィジョンズ」でも悪役は自己中で、
仲間同士で上下を言っててしまいには結局仲違いしていく。
それって不良少年たちの最初は仲間とか言ってるのに
内ゲバに発展していくのもまるで同じだ。
結局、俺(僕)最強って事になってしまう。
傍目にそれは強い差別感情と支配欲という風に見えてしまう。



作品名をリストアップして書いて行けばキリがないけど、
ラスボスや巨悪の目的が承認欲求だったり子供のような支配欲が原因であるような作品が沢山ある。
そして、そういうアダルトチャイルドが主人公である作品も21世紀に入ってすごく増えてしまった。
先に書いたソードアートオンラインがいい例だろう。

ヒーロー作品の敵(ヴィラン)に感情移入する人も最近はかなり目立つ。
具体的な例ではバットマンシリーズのジョーカーやその恋人のハーレクインだ。
どのバットマンだとしても、ジョーカーとハーレクインというのは「子供」として描写される。
大人があんな事を言ったり、無分別だから「怖い」と思う。
精神的に異常だから「怖い」と感じてしまう彼らに、
自身を重ねることが出来るという事は彼ら自身の中の幼児性が引き付けているはずだ。


運転手をやっててあちこちで良くこういう子供みたいな人達と関わる。
笑顔が屈託がなく芸人みたいに顔のリアクションが激しく、そして話は通じない。
狂った事を喚き散らして、落ち着かせようと話しかけても
「黙って俺のいう事を聞け!」なんて怒号を上げ暴力を振るう。
ザ・ボーイズ作中のホームランダーの描写にもそれがあった。

そして彼は赤ん坊に激しく嫉妬し憎悪の感情を抱く。
母親の愛情が弟や妹に向いている事に嫉妬する先に生まれた子の様に。
スーパーヒーローで良い年した大人が、上司の女性が産んだ子供に嫉妬するとか
サイコ野郎も良いとこだ。まったく気持ちが悪い。
ところが、状況は違っても嫉妬から嫌がらせを堂々とやる奴というのは運送業界では多い。

またホームランダーの描写にある激しく人を罵っている場面が多々ある。
現実世界でも見当違いな事から言いがかりをつけて激しく他人を罵倒する奴がいて、
その言い分は「それってお前の事だろ」と思う事が良くある。

自分が傷つく言葉は他人も同じく酷く人を傷つけると思い込んで
自分のコンプレックスをぶつけてくるんだけど、
こっちにそのコンプレックスが無ければ
何も心に響かない。
ただただ「気持ち悪い」、それだけだ。

これを読んでる人もそういう社員や社長をドライバーを良く見かけるんじゃないかな?
会社でパワハラをやったり、小学生みたいな虐めを行ってる人々を考えてみればいい。
その人たちって本当に成人の精神の域に達しているだろうか?
事実誤認が激しいせいで、失敗したり人に責任をなすりつけたりが多くないですか?

彼らは自分達こそが世界の中心だし、そうであるべきだと思う。
結論が先にそれがあって、現実と結論の差は誰かが悪いとかシステムが悪いとか言い出す。

この作品に出てくるホームランダーというヒーローを見てると、
そういう人物評価を製作陣営も良く承知しているのだろうと思います。
史実からフィクションの映画を作るとか小説や漫画を描くとき、
製作者というのは自分の原体験を取り入れる。
つまり、自分が知ってる嫌な奴とかをモデルに悪役を描くものだろうと思います。
例えば「戦争と人間」の辻政信や「天空の城ラピュタ」の「ムスカ」とかですね。

日本の作品でもワンパンマンモブサイコ100では同様に感じます。
作者は彼らの事を良く知っている。
ビジネスとして成功してしまい、最近はそのような描写は薄れてしまったようですけど
初期ではそこを描こうとする執念は非常に強く感じます。

機動戦士ガンダムシリーズの宇宙世紀ものはファースト以降は好きではないので
ほとんど見返すことはありません。
何故かというと、ZガンダムとZZガンダムではZZの方が幾分ましだけど、
敵が「お子様」の集団で、敵同士でどんどん互いに争っていく。
超人たちが「ワー」と喚いて悲鳴がデカい方が何となく勝つという構造がまるきりつまらない。
主人公を含め超人たちのエリート意識というかあれは選民思想といった方がいいかもしれないけど、
それが全く理解できなかった。言い換えれば、まるで子供妄想世界の様だった。
それ以降の作品群もまったく面白くない。GとXとOOは良かった。


その内に現実世界で最近起こったこの様な人物たちの事を書くつもりでいます。
当人たちも承知の上の事です。
おおよそ彼らの言動は正気とは思えなかった。
よくもそんな恥知らずな事をしたものだなとつくづく軽蔑もしています。
ホームランダーを見てるとサイコパスと形容するのが妥当だと思いますが、
まさにこんな狂った言動の人物たちと関わるうえでいったいどうすればいいのでしょう。
まったく対処の仕様が無いというのが今の私の心情です。